断捨離は苦手です。

捨てられないモノもブログなら残しておいていい気がする。

「え、一応東大です」

どこの大学か聞かれて、真っ先に「東大です」と答えることを好まない東大生は少なくないと思います。

www.tnews.jp

この記事がなかなかすごくて、大学名を言いたくない理由として「逆学歴差別」系のものしか扱っていません。誇りを持っているとかそういうことは関係なく、どうしても色眼鏡で見られるというのはいわゆる有名大学の学生共通の悩みなんでしょうか。

似た話題として、こんな記事も。わかる。わかるよ。笑

rick08.hatenablog.com

逆学歴差別の文脈で、最近感じている違和感として以下の二つがあります。

  • 東大生の生態について扱うテレビ番組が多数放映されている。
  • 東大生が逮捕されると、ニュースには「東大生逮捕」として大学名が報道される。

前者に関しては、放送人権委員会に提訴するとした記事が話題になりました。

anond.hatelabo.jp

個人的には後者の方が深刻だと思っていて、要は「東大生であることと犯罪することって関係なくない?」ってことです。 「東大生ら逮捕」とかいう報道がされるや否や、「勉強はできてもやっていいことと悪いことの区別はつかないのね」とかいうコメントがウジ虫のように湧いてきて疲れます。一般の大学生が犯罪しても「大学生逮捕」なのに、東大(と一部の大学)だけ大学名を出すのは理解に苦しみます。もはや「逆暴力団」としての東大の扱われよう。(いや、もしかしたら暴力団が犯罪を起こしがちだというのも僕の偏見によるものなのかもしれませんが……。我々は偏見から逃れることはできなくて、それとどううまく接するかというのは、また別の話題。)

個人的な体感としては、罪を犯すところまでいかなくても、ちょっとミスをしてしまっただけで「東大生のくせに」とか言われてしまうのが根本的に嫌だという感情が「"一応"東大です」という言葉になる原因の一つなんじゃないかなと思っています。もちろんほかにもたくさん理由はあって、それらは推して知るべしという感じなのですが。

こういう違和感に対してひとつの答えを出してくれるツイートを見つけました。 はてなブログの仕様で連ツイは前のツイートも一緒に表示されるようなので、2ツイート分しか貼り付けてませんが3ツイート分引用していると考えてください。

この3つのツイートに日頃感じている違和感がきれいに言語化されていて驚いたのですが、つまるところ、

  • 一度ミスをした人を絶対に許さない
  • 特に成功した人への当たりが強い
  • 成功者を軽蔑することに快感を覚える

こんな社会が隠蔽体質やマスコミのレベルの低い質問を生むのだということだと解釈しています。

成功した人への当たりが強いというのは理不尽な話です。「出る杭は打たれる」「実るほど頭が下がる稲穂かな」などと言われますが正直あまり納得できません。どんな分野であれ結果を出した人が正当に評価される社会であってほしいのに、結果を出したことが逆に自分を苦しめるのって、おかしくないですか。

「結果を出した人」としての自覚をもって、そういう偏見に負けないような実力をつけろ、というのが世間的な考え方なんだと思います。 「その分我々はほかの人より何倍も成長している」と考えて自分をだますことはできますが、なぜそんなことを強いられる必要があるのでしょうか?

しかし、ここでちょっと冷静になって考えてみます。 いわゆる弱者が「弱者を救済しろ」と言うのが自然であるように、東大生が「逆学歴差別を助長するな」と考えるのは自然だと思うのですが、そうだとすれば、「成功者が叩かれる社会はおかしい」と考える時点で「成功者側」の考えをしているということになるのでしょうか。 ということは、この問題の根本にあるのは、「自分は成功者側ではない」と考えている人が多いことにあるのではないでしょうか。

例えばある年に行われた東大入試だけを考えたら当然受かった人もいれば落ちた人もいるわけで、その意味では「成功した人」と「失敗した人」は明確に二分されます。しかし、落ちた人の中で研究者としてのちに大成する人は大勢いるでしょうし、芸術方面で有名になる人や、幸せな家庭を築く人もいるでしょう。 結局成功か失敗かなどというのは各自の考え方の問題だというのが持論ですが、こういう考えが広まれば、もうちょっと生きやすい社会になるんじゃないかなあとか。

まあでもそうとは言え、性格の問題でネガティブになりやすい人というのはいるでしょうし、自分の人生をポジティブに考えろよと簡単に言えない話なのはよく分かっているのですが……。

現状ぼくにできることはこんなしがないブログを書くことだけですし、これ以上考えが進んでいるわけではないのですが。過激なことを言っている割には別に特に主張もない、なんか中途半端な感じになってしまった。

生きやすい世界になってほしいなあ。

LINEとの比較におけるWeChat

本記事は、ジースタイラスさんのTechQuestに参加させていただいたレポートになります。

WeChatとは

WeChat(微信 weixin)とは、Tencentが2011年にリリースしたメッセージアプリです。2018年現在の月間アクティブユーザー数(Monthly Active Users, MAU)は10.82億とInstagramに匹敵する規模を誇りますが、ユーザーの8割以上は中国人、国外における用途も大半は中国人とのコミュニケーション用途だといわれており、さながら「中国版LINE」ということができそうです。MAUについて各種SNSを比較した結果を図1に示します。

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図1:各種SNSのMAUの比較。図は*1*2*3より筆者作成。

本稿では、そのように何かと比較されがちであるWeChatとLINEについて、機能やマーケティングの面で比較を行います。

機能面の比較

WeChatにあってLINEにない機能

チャット関連
  • 翻訳:中国語と英語のチャットについては翻訳をすることができます。

  • スタンプ:他人が作ったスタンプは自由に使用できますし、自分で作ることもできます。

  • ラッキーマネー(红包):お年玉やチップのような感覚で送金を行うことができます。受け取れる金額は設定した上限値の範囲内でランダムに設定されます*4

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図2:WeChatでの画面操作の様子。左3枚は翻訳、一番右はスタンプリスト。図は筆者作成。

ミニプログラム(小程序)

WeChat上に構築できるウェブサイト、アプリのようなもので、主にチェーン店が支払いアプリを提供しています。 スターバックスを脅かす存在として注目を集めるLuckin Coffeeが注文環境を提供するのもこれです。

お店での会計以外にも、スプレッドシートアプリなど多様なアプリが提供されています。環境を整えれば個人が開発を行うことも可能です*5

モーメント

モーメント機能自体はLINEにも存在しますが、中国ではFacebookやTwitterに似たSNS機能をWeChatのモーメントが担っています。

LINEにあってWeChatにない機能

本稿はLINEの紹介をするわけではないので列挙にとどめますが、比較という観点から紹介します。

Live配信 / ギフト / ミュージック / Face Play / QUICK GAME / 投票 / 日程調整 / あみだくじ / JUNGLE PANG / ジフマガ / Tenor GIFs

ただ、これらはあくまでもWeChatの機能として存在しないというだけで、連携アプリがこれらの機能を担っている場合が多いです。

機能面では、LINEとWeChatにそれほど大きな違いはないことがうかがえます。

送金機能の普及度

機能面ではそれほど大きな違いはないWeChatとLINEですが、特に送金機能について普及率に大きな差が存在します。 LINEはLINEPayのMAUを2019年に「現在の2倍以上」の1000万まで拡大したいとしていて*6、具体的な数値は公開されていないものの2019年1月現在ではMAU500万を下回っていることがわかります。これはLINEのMAU2億1700万のおよそ2%です。

一方のWeChatPayも具体的なMAUは公開されていませんが、ユーザー数は約6億人にのぼるとされていて*7、単純比較はできませんがWeChatのユーザーの半数近くがWeChatPayも利用していることがわかります。

送金機能について普及率に大きな差が生じる原因の一つとして、支払いシステムを導入するために店舗が支払う手数料がWeChatでは無料である*8ということがあげられます。 支払いシステムのビジネスモデルは主に加盟店からの手数料で成り立っているとされている*9ものの、WeChatは以下のような戦略の上に成り立っています。

  • ミニプログラムの手数料によって収入を得る
  • 国民の2/3がWeChatを通じてやり取りをしているといわれるため、利子や投資によってかなりの利益を生むことができる
  • Tencentの他のサービスの顧客獲得のために用いることができ、マネタイズを主目的とする必要がない

Tencentはしいて言えばゲーム会社であり、自社のゲームについて広告料を支払わずに大多数の国民に宣伝を行うことができるのは、プラットフォームを握っている者の大きなアドバンテージであるといえます。 実際、給料の半分を娯楽に使う国民性を生かし、エンタメが充実していない田舎のユーザーにWeChatを使ってアプローチすることができるとのことでした。

LINEでも2018年に「3年間は手数料0%」とするキャンペーンを開始していますが、3年後の手数料については「調整中」とのことでした*10

考察・まとめ

LINEとWeChatで機能面に大きな差は見られませんでしたが、WeChatは現地の人の文化に寄り添った設計で中国人の支持を得ているといえます。 中国は特に人口が多く、自国の国民の支持が得られればそれでプロダクトが成り立つということもできると思いますが、 逆に言えばWeChatはあまりにも中国人向けのアプリとなってしまっていて、これがWeChatが世界に拡大できない理由の一つになっているともいえます。

LINEに関しては、新機能を次々とリリースしている一方でその普及率が課題になっていますが、 WeChatのとる、「マネタイズのためのアプリではない、ゲーム会社が作るSNS」という手法については学ぶことがあると感じました。

謝辞

今回深圳へ渡航する機会をくださったジースタイラスのみなさま、渡航前からレポート作成までアドバイスをくださったTencent岩瀬さんに、この場を借りて感謝いたします。ありがとうございました。

【就活】やっておいてよかったこと、やらないで後悔したこと

就活ネタが続きますがどうぞよしなに。

就活を終えて、あれやっといてよかったな、こんなことしてたよ、これやってなかったので苦労したよ、みたいなのを羅列したいと思います。Web系に限らず言えることはそこそこあると思います。

やっておいてよかったこと

選考の状況管理・面接メモ

今回この記事を立てたのはこれを紹介したかったからです。Trelloを使って一括管理してました。こんな感じ。

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使い方としては簡単で、

  • 面接のたびに、その面接のメモをコメントとして追加する
  • 選考の結果が出るたびに、企業のカードを適当なリストに移動する
  • 面談などで今後生かせそうだという言葉に出会ったときや、面接で失敗したなあと思ったときは、その都度「反省」リストにカードとして追加する

だけです。カードの名前の部分に「n次選考日程調整未回答」などとステータスも記入しておくとわかりやすいと思います。

特に面接で話したことをまとめたコメントは、次の面接の直前や、面談で選考の話になったときなど、のちのち見返す機会が多かったです。面接を受けた直後に、大学まで移動する電車の中で猛烈にメモする感じ。メモを作ることで、見返さなくても記憶に定着するという効果もあったように思います。面接の部屋に入ったときから時系列で思い出して些細なやりとりも書き留めるようにすると、そういえばこの話からこういう話題に移ったんだったなとかいろいろ思い出せるのでおすすめです。

就活用ノート

これは多くの人が作っているかもしれませんが。僕は基本的に予定をGoogleカレンダーで管理していたので、紙の手帳にメモするのではなく就活用のノートを持ち歩いていました。エンジニアに限らないセミナーとかだとPCを出しづらい雰囲気があるのは確かだし、自由なレイアウトでメモを取って必要な時にパッと確認できる点では紙のノートはPCでとるメモに劣らないと思います。内定承諾直前に就活序盤で受けたセミナーの内容を見返したこともあったので、何がどこで必要になるかわかりませんね……。

競プロ

別にレートがどうだとか聞かれることはないですが、企業のコーディングテストは基本AtCoderのB問題レベルなので*1、このくらいの問題を解くのに慣れておくのは大事かと思います。

プロダクトの制作経験は必須に近い

どんな簡単なものでもいいので、企画して作って誰かに使ってもらうというサイクルを1回でも回していることはほぼ必須だったように思いました。そういうことをしている過程で、自分はプログラミングのどの過程が一番好きなのかとか、どういうところが苦手なのかとかいうこともわかってくるのではないかなと思います。

面接対策はしなかった

面接対策をして、自分の価値基準の上で「よく」見せたところで評価されるとは限りませんし、そもそも偽りの自分を評価されてもアンマッチが発生するだけです。また、そういう対策をしなかった結果落とされたとしたらそれは縁がなかったというだけのことなので。というマインドは割と大事かと思います。面接ではできるだけ素の自分を見てもらいましょう。志望動機は、エントリーした時点の気持ちを素直に話すことです。

※追記 そういえば、面接対策と言えるかわからないですがひとつだけやってました。「どの企業でも通用する質問を用意しておく」ことです。 逆質問で質問が出なかった場合にどれだけ印象が悪くなるのか知りませんが、ちょっと気まずかったので「もう質問がなくなったときに聞く質問」を用意しておきました。 僕の場合は、「Web系というと転職が当たり前の業界だと思いますが、なぜこの会社でいま働いていますか?」というやつです。これ聞くといろんな人の人生観とか聞けてけっこう面白かったです。

やらないで後悔したこと

「ブラウザにURLを入力してから、Webページが開かれるまでに起こっていることを説明してください」

僕は基本的に「今は技術力はないけれども、こういう志向性を持っています」というスタイルで面接に臨んできたので、入社時にある程度の技術を求める会社はことごとく落ちてきたわけですが、どうやらこの質問はいろんな企業で学生の技術に対する理解をはかる良問として認識されているようなので(実際に面接で聞かれて答えられなかった経験があります)、Web系エンジニアになりたいみんなは対策しておいて損はないと思います*2。模範解答は作成できないのであしからず。笑

内定もらった企業についてはすぐに内定者懇親会をお願いする

やっぱり一緒に働く人って大事ですよね。同期にどんな人がくるか全く知らないままに内定を受諾するのは怖かったので、できるだけ内定者懇親会には足を運ぶようにしていましたが、結局その機会がなかった企業も残念ながらいくつかありました。内定をもらったらその場で「内定者っていま何人くらいいますか? 懇親会とかでお会いすることはできますか?」と聞いておいて損はないと思います*3

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逆に言えばやってよかったこともやらなくて後悔したこともこれくらいです。Web系の就活は特有の対策とかがほとんど不要な点ですごく楽なのかもしれませんが。特別工夫の多い就活をしてきたわけでもないので、これから就活に臨む方は気楽に、楽しんで就活できれば良いと思います。何かあればコメントなりDMなりください。

*1:僕はC問題ができないけれどコーディングテストはだいたい通過できたし、「必要十分の機能を実装できていてよい」とほめられたこともままあるので、そのくらいのレベルができていればいいんだと思います。もちろんたまに解けない問題もありましたが。

*2:エンジニア志望なら常識なんですかね。逆に言えばこのくらいのことがわからなくてもWeb系エンジニアにはなれるよ。

*3:とある企業で内定者懇親会をお願いしたら、人事の方から「内定承諾前の学生の懇親会をやったのは初めてだ」とのお言葉をいただきました。意外とWeb系ベンチャーはどこもそんな感じ。

就活を終えました

久しぶりの投稿です。

 

タイトルの通りですが、ほぼすべての学生が経験する就活とかいうものをやってみて、いろいろ思うことがあったので記録しておきます。

 

自己紹介(就活終了時)

  • 20年修士卒見込。情報系の専攻にいるものの、学部は機械系でまともにプログラミングを勉強したことがなかった。院試のプログラミング科目のためにAOJでpythonの練習をしたので、pythonが一番なじんでいた。
  • 情報系に進学したことを機に、学部時代から意識していたWeb系に興味を持つ。
  • プログラミングスキルを上げたいというよりは、自分の手でプロダクトが作りたい(マーケやデザインも含めてプロダクト全体を見たい)。そのための必須スキルとしてエンジニアリングを学びたい。
  • 就活を終えた時点のプログラミングスキルは、AtCoder茶(python*1。GASを使って遊んでいたのでjsは感覚的にわかるが、ちょっと複雑になってくるとわからない*2railsチュートリアルが読み解けない程度。研究ではC++を使っている。

 

戦績的な

インターン

参加:3社 / 辞退:2社 / 落ち:18社? / 離脱:たくさん(後述)

冬インターン

参加:2社 / 落ち:1社

本選考

内定:5社 / 途中辞退:3社 / 落ち:3社 / 離脱:1社

 

特に本選考に関してはこれ以上ないほどの戦果で、就活自体はおおむね楽しくやっていました。結構よくしてくださった人事の方もいらっしゃいましたし、友達もそこそこできました。いろんな会社を見ることができましたし、よく言われるようなつらい就活(合説がーコンサルがーグルディスがー圧迫がーオワハラがーとかいうようなやつ)は経験せずに済んだのかなと思っています。その点Web系の就活は最高です。

 

~夏インターン選考

大学院に受かった直後に同じサークルの先輩(同じ研究科のひとつ上)と飲みに行った際*3「IT系は夏インターン大事だよ」と言われてから僕の就活はスタートしました。ぼちぼち情報収集をしつつ、母校のOB対象のイベントに参加したり、人材系の会社に入社した友達からセミナーに誘われたりして、就活ってこんな感じかーとなったのが5月の半ば。5月末からぼちぼちインターン選考を受けました。初めてのESはすでに就活を終えた友人に添削してもらいましたが、意外とぼこぼこに直されたので驚きました。

そもそも「IT系は夏インターン大事だよ」の真意としては、夏インターンでうまくやるとそこそこ内定が出るということだったのですが、あとから振り返るといくつかの大き目の企業が内定を出しやすいというだけのように感じました。まあ確かにこのタイミングで内定を持っておくと、本選考では本当に出したい企業だけ出せばよくなるし、院生は研究の時間を確保できてうれしいかもしれません。

さて、「選択肢はできるだけ広く持っておきたい病」の僕は、いくつか登録した就活サービスから送られてくる大量のメールをもとに、夏インターン時点では興味のありそうなところに手あたり次第エントリーすることになります。ざっと ITエンジニア / デザイナー / メーカー / コンサル / 新規事業立案 といったところでしょうか。特に新規事業立案というのは流行りなんでしょうね、もう数えきれないほどのインターンプログラムがあって、ES免除とかいうのもたくさんあったのでそこそこ受けに行っていました。

グルディスとはなんなのか

ビジネス系やコンサル系だとグルディス(グループディスカッション, GD)を頻繁にやらされるのですが、これってほんと何なんでしょうね。

そもそも「ほかの人に対して自分個人が優れていることをアピールする」場である選考で、「ほかの人と協力して成果物を作らなければいけない」というのが性に合わなさ過ぎて、グルディスに関してあまりいい思い出がありません。基本的にしょーもないアピールのし合いに終始するし、「じゃあ僕書記やりますね」とかもう聞き飽きたわ。面接に進むために仕方なく議論している感じがとても出てしまって不毛だなあと思っていました。こういうのをスクリーニングに使うのってどうなんでしょうねえ、、

新規事業立案系を受けすぎた

夏の選考で最大の失敗は「新規事業立案系を受けすぎた」ことです。エンジニアなどに比べてプログラムの数が多い分入ってくる情報量も多いので、同じ割合で選考に参加していると圧倒的に新規事業立案系の参加が多くなってしまいます。起業に対する漠然とした憧れとかも手伝ってそこそこ選考に進んではいたのですが、結局夏真っ盛りの時期にぷつんとその気持ちが切れてしまい、一斉にメールの返信をしなくなりました。担当の人事さんごめんなさい。こういう学生がいるから企業もサイレントお祈りとかするんだよね、わかってますが、、、

ちなみにそれだけ面接を受けていると、授業も多かったこの時期はほんとに予定が破綻していました。バイトをいくつか切っても研究にかけられる時間がほぼ取れず、ただただつらかったです。

Web系の就活をするなら

この時期から就活終わりまで、とてもお世話になったサービスが2つあります。

  • サポーターズ*4
  • ジースタイラス*5

どちらもWeb系エンジニア学生がメインのターゲットなのですが、いわゆる「逆求人」と呼ばれるイベント*6を主催しています。土日祝を1日使って10社くらいと面談できるうえに、現状の自分の立ち位置を把握したり、その時の悩みをいろんな企業にぶつけてみたりできるとてもよいイベントでした。このとき作成した自己紹介スライドは、その当時の思考を端的に表現していて後から見直すにも十分な価値がありました。サポーターズについては就活イベントに対して交通費にあたる「支援金」というのを支給してくれるのもとてもありがたいです。ここでもらった支援金で、技術書やらモバイルバッテリーやらいろいろなものを買いました。

夏インターンに行った3社のうち2社、冬インターンに行った2社とも、本選考を受けた企業は1社以外すべてこれらのサービス経由でお会いした企業です。主にソフトウェアエンジニアになりたいのであれば、ここに登録しておくのが割と手っ取り早いと思います*7

また、Web系のエンジニアになりたい人は、簡単なものでいいので今までに作ったものをgithubに上げておきましょう。ESでgithubのアカウントを提出させられ、面接では面接官はすでにコードを読んでいるなんてこともザラです。その際、「なぜそれを作ったのか」「どんなこだわりがあるか」的なことを言語化しておくと後々良いかと思います。

 

夏インターン

ハッカソン型のインターンが1社、オフィス体験型が1社、1dayお試し型が1社でした。大学院で情報系にきてからまともにプログラミングを勉強し始めた僕にとって、この時期のモチベーションは「知識を入れて経験を積む」ことでしたので、その観点では悪くなかったと思います。研究は夏休みにも続く中、これ以上インターンに行くのはちょっと厳しい面がありました。

 

本選考

夏インターンが終わったあと、ぬるっと本選考の案内が始まりました。9月の逆求人ではほとんど本選考の案内ばかりで驚いたのを覚えています。冬インターンはもはや本選考の一環という企業が多い印象です。

イベントでお会いした企業の中からインターンに2社ほど参加させていただきました。うち1社はエンジニア職ですらなく、これはこれでいい経験になったと思っています*8

コーディング課題

10~11月はコーディング課題に追われていた印象があります。web上でちゃちゃっとできるコーディングテストはだいたい競プロやっていれば対応できるイメージがありましたが、アプリを作るような課題は結構本腰入れてやらないと一筋縄ではいかず、苦労したのを覚えています。

内定

夏のインターンに参加した企業でトントントンと選考が進み、最初の内定を12月中旬にいただいていました。

初めて内定をいただく前はとりあえず内定を取ることに精一杯なのですが、内定をいただいてしまうと多かれ少なかれ今まで就活にかけていた熱量がそがれることになります。加えて、初めて内定をいただく前の面接は、いくら「こちらが企業を選ぶ」という気持ちで面接に臨んでも「とりあえず評価してくれるから選考に進んでおく」という気持ちがどうしても大きくなってしまうので、最終的に1社選ぶ際に苦労することになります。

このときはまだ1次選考すらやっていないような企業がほとんどでしたが、加えて2社から内定をいただいた1月末あたりで、自分のやりたいことをベースに4社に絞りました。内定先の企業の懇親会とか面談とかに足しげく通い、いろんなことを言われる中でどの企業に入るか悩み続けることになります。

タイミング

4社に絞った後のタイミングで選考の案内がきて、研究も忙しいし正直これ以上選択肢を増やす気にならなくなってしまったという会社が数社ありました。もったいなかったかもしれないのですが、モチベが上がらないのは仕方ない、、

 

内定承諾

2月末に4社*9とも内定をいただいてから、1カ月ほど恐ろしく悩みました。ある程度面接でも正直にやりたいことを話していて、そのうえでやりたいことをベースに絞った結果の4社だったので、そこから1社に絞り切れないという状況がとても長く続きました。

この時期にやったこととしては

  • 自分が現在描いているキャリアパスに近そうな社員さんとお会いして、いろいろ気になったことを聞く
  • その時点の内定者と飲み会をする
  • 1日インターンをしてベンチャーで働く感じをつかむ
  • 逆求人でメンターだった方に話をきいてもらって*10、企業選びの軸を整理する
  • 深センに行く*11

あたりです。

結局1社選んだ決め手としては、コーポレートビジョンへの共感度と、それに付随する「この会社で働くことを想像したときのワクワク感」です。会社としてもビジョンが一番ぶれないし、選考を受けている中でもワクワク感については一番ぶれることがなかったので、一番後悔しない選択ができたのではと思っています。

 

総括

技術力が全然ないくせに、「自分の手でサービスが一通り作れないと始まらない」とかいって頑なにエンジニアとしての就職を望んできました。実際技術力を求める企業からは門前払いに近い対応を受けたこともありました。

その中で、新卒採用に特異的なことは、技術的に最低限の素養さえあればそのほかの部分を評価してくれる企業も多いということです。多くの企業が、どういうことがしたいのか、なぜか、今までの人生でどう考えてどういう経験をしてきたか、というあたりをみている印象で、これらについて繕うことなく話せばわかってくれる人が多かったのはとてもうれしいことでした。

とはいえ、今後はひとりのエンジニアとして成果を生んでいかないといけないですし、常に勉強していくことが求められます。仕事自体を楽しむという気持ちの一方で、うまく勉強するサイクルを身に着けられるかがカギになってくると感じています。これからも頑張っていきます。

*1:コーディングテストに忙しかった時期は、コーディングテストと競プロが似ていることもありそこそこの頻度で練習していたが、面接がメインになってくるあたりで点数が伸び悩むようになり、モチベーションが続かなくなってしまった。コンテスト参加は4回。

*2:選考の課題でReactNativeを触らせてもらったのはいい経験だった。

*3:冬院試勢なので2月とか3月とか

*4:https://supporterz.jp/

*5:https://www.studenthunting.com/gf/

*6:ジースタイラスは「~~逆求人」、サポーターズは「1on1面談」と名前が微妙に異なる

*7:ただ、こういうところに出てくる企業はそこそこお金を持っていてベンチャーといえるか危ういくらい大きなベンチャーだったりするので、使うサービスが偏ると見れる企業群も偏るというのは認識しておくべきかもしれません。またロボットなどHW系のベンチャーはほとんど会えない印象があります。

*8:確かにエンジニア職でなかったのですが、個人的に技術を積んだ先にやりたいと考えている職だったため参加した次第です

*9:内定は5社もらったのに頑なに4社と書いているのは、実は1社について、初めての面談を行った直後に知らない間に面接が行われ、そのまま内定が出るとかいうびっくり体験をしたからです。面接を受けるという意思表示をしていないまま内定が出てしまってどちらかというと不信感のほうが大きく、やりたいことともそれほど合致していなかったのでほとんど検討をしませんでした。

*10:逆求人のメンターの方は一番近いところにいる第三者なので、割とぶっちゃけて悩みを相談することができました。この存在はかなり大きかったです。

*11:深センに行かせてもらったのも就活関連です。どちらかというと飽和した頭を整理するための時間としていい時間を過ごすことができたと思っています。旅行記など詳細は別記事へ。

エイチームインターンで優勝して悩んでしまった話

イキリタイトルすいません。表題の通りですが、一晩寝てちょっと冷静になったところで振り返ってみます。結果が出せて素直に嬉しい反面、煮え切らない部分も結構多いので、その記録とか。

 

インターンの概要

これからの話の共通認識として、インターンの概要について書いておきます。

プログラム全体で3日間、1日目お昼に集合してガイダンスののち、1日目午後〜2日目午前が前半戦、2日目午後〜3日目が後半戦のいわゆるハッカソンインターンでした。インターン生は全員同じホテルに宿泊するので、やろうと思えば夜通し開発することも可能です*1

前半戦と後半戦で順位に応じてポイントがつき、その合計で順位が決まるというものでした。後半戦の得点は前半戦の2倍なので、一発逆転が狙えます。

 

目標

初日に今回のインターンでの目標を設定するのですが、今回個人的にもっとも重視していたのが

  • チームのアウトプットを最大化する

ということでした。夏にハッカソン型のインターンに参加した際は僕ががっつりチームを引っ張っていく形になりましたが、そのとき痛感したこととして「自分の最大値がチームの最大値になってしまう」ということがありました。話し合いの内容や実装に関してほぼ自分が全権を持つ形になってしまったため、「実装の面で個人開発よりちょっと馬力があるだけ」になってしまった僕たちは、結局僕より実装力のあるメンバーがいたチームに負けてしまうことになります。今回のインターンではそのリベンジも兼ねて、個人としての能力の発揮というよりはチームとして、「1+1を10にするにはどうしたらいいか」を考えたいと思っていました。

初対面のメンバーは、みんな実装力にはあまり自信がない感じ。僕に至っては今回インターンで使用するrailsの環境構築を数日前に終わらせた程度。一方でなんか知らんけど「1位を取りたい」という思いだけはみんな持っているようでした。雑談の中で「1位が取りたい」と言葉に出して共有するとみんな同意してくれて、火がついたように感じます。言葉に出して目標を共有することってすごく大事だと思いました。

 

前半戦

前半戦は「社内で使用している業務システム(の改悪版?)に対する具体的な要求をどれだけ実装できたか」を競うものでした。 実装力に自信のない僕たちは、お互いに質問し合うこともなく黙々と作業していくようになります。

実装していて詰まることは誰しもあると思いますが、実装力に自信がないから質問するのが恥ずかしい、質問しないからわからない、わからないけどみんなが質問しないから質問できない、という悪循環になってしまい、1日目終了時はお通夜でした。聞けば数秒で解決することで数十分溶かすなど、大したことではないところで詰まっている、けど雰囲気として質問しにくい、という状況にお互い陥っていることを確認して、2日目からはそこそこ質問が飛び交うようになりました*2。しかし実装しきるところまではいかず、前半戦は7チーム中6位で終了。というより「最下位じゃない!」といって喜んでいる感じでした。レベルが低い笑

ただ、お互いに質問できる雰囲気ができたこと、メンバー同士は仲良くなっていろんな話ができるようになったのはとても良かったと思います。夜ホテルに帰るときも、朝オフィスに向かうときもメンバー全員で行動していました。

 

後半戦

後半戦は「前半で扱ったシステムに対してヒアリングなどから課題を自分たちで発見し、実装の成果をデモを交えて発表する」というものでした。新卒/中途、入社からの年数、役職、子会社の所属などから誰にヒアリングをするかも自分たちで決め、プロダクトイメージを練ってから実装に移ります。

議論が堂々巡りになって2日目解散時点では全く実装が始まっていなかったのですが、企画段階で良かった点としてあげるとすれば

  • いろんな実装を手広くするのではなく、メインの機能1つに絞ってそれについて深掘りするという方針が取れたこと
  • 評価項目*3から逆算して戦略を練ったこと
  • 実装に自信がない分、それ以外の面でチームに貢献しようという意識がそれぞれで大きかったこと

という感じになると思います。

前半6位だったため、一発逆転を狙うならとんでもないプロダクト案を出さなければいけないという意識が働いていましたが、少しそれにとらわれ過ぎていた印象もありました。実装のできない我々が「作りきれたか」という評価項目の中で戦うためには、ある程度実装の時間を確保しつつ、またある程度簡単な実装でインパクトをだすということが必要でしたが、そのバランスに苦労した覚えがあります。

2日目終了時に実装が始まっていなかったので、当然ほぼ徹夜状態で5時くらいまで作業をしていましたが、ある程度完成イメージが見えてきたところで体力も尽き、解散しました。夜の段階でプレゼン担当が発表資料を作り終えていたのも大きかったと思います。

3日目は寝坊したので慌てて荷物をまとめてチェックアウトして*4、ギリギリまで実装し、なんとか1回発表練習をして、本番に臨みました。他の班の発表を聞くと「意外と我々いい線いってるのでは?」という思いがチームに広がり、発表前から嬉しかったのを覚えています。

結果発表は総合3位から順に行われたのですが、総合2位で前半1位のチームが呼ばれた時に勝利を確信しました。後半戦は5つの評価項目全てでトップのダントツ1位だったし、普通に使いたいと社員さんからも言っていただいて、素直に嬉しかったです。

 

振り返って

今回の勝因・成果

結果発表後、メンターの方から3点、今回の勝因としてお話をいただきました。

  1. 自己開示がきちんとできたこと。目標、困っていること、強みを共有し、お互いを認め合えたこと。
  2. 1位を取るという共通認識ができたこと。
  3. 素直だったこと。メンターからのアドバイスを受け止め、消化して活かすことができたこと。

この3点に共通することとして、「思っていることをきちんと言葉に出す」ということがあります。1位が取りたい。雰囲気として質問しにくい。このメソッド呼び出せないんだけどどうするんだっけ。私はプレゼンが得意だから任せてほしい。今回の評価項目ってこれだったよね。我々は実装が苦手だからこういう方針で攻めるといいと思う。面談でこんな話したんだけどどう思う?……そういうことをきちんと言葉に出して共有し、必要があれば議論し、方向を修正していく、それができたことが勝因であり、かつ今回の大きな収穫でした。

 

自分が貢献できない方が結果が出たというジレンマ

となると、マネジメントってとんでもなく難しいなあと思います。自分が実装面であまり貢献できなかったからこそ、今回は「みんなの心理的ハードルを下げる」ことでチームがいい方向に向かっていったわけですが、これだけを見ると「マネジメントをする人は技術力がない方がいい」ということになりませんか? いやきっとならないんだと思いますけど。「自分が"強い人"としてチームに配属され(てしまっ)た場合に、どう振る舞っていけばいいのか」が今後の課題でしょうか。

「マネジメントをする人は普通に考えたら実装力とかすごい人なわけだけど、そういう人があえて自己開示をすることに意味がある」んでしょうか。あるいは「実装をしていても持てる余裕の部分でメンバーの強みを把握したり、仕事の分担や進め方について考えることが大事」なんでしょうか。うーん。きっとメンター的な立場での振る舞い方と、立場的には同じだけど自分が一番強そうという状況での振る舞い方も全然違うんだと思います。

 

俯瞰して逆算すること

結局これに尽きるなという思いもあります。

  • 評価項目に「作りきれたか」とある → 我々に実装力がないことは前半の結果から明らか → 実装の負担を減らしつつ、ひとつの機能に絞ってインパクトを狙おう → すると「思いもよらない機能」という評価項目にもマッチする
  • 総合1位が取りたいが、前半は6位だった → 後半で1位が取れた場合、前半1位のチームが2位にならなければ優勝できる → 後半で1位になることだけを考えてあとは祈ろう

こういう思考にいたることができるのも、最初に目標を共有していたからこそなんですかね。

一方でタイムマネジメントの観点では俯瞰や逆算ができていないことも多く、ギリギリのところでメンターに救ってもらうことが何度もありました。自分がちょこちょこ時間を気にして、あと何分だからやばいよとか声をかけるようにしてはいたのですが、開発に没頭してしまうとそれも難しくなります。そのあたりの機転の利かせ方についても今後の課題です。

 

ターゲットを絞ることで、ターゲットが広がる

万人に使ってもらおうと無難なプロダクトを作るより、ターゲットを絞って尖ったものを作った方が、結局は使ってくれる人が多いのかもしれません。ターゲットの外にいた人もその良さを感じてくれて使ってくれるとか。今回その点では検証とかしてませんけど、感覚的にそう感じました。企画の醍醐味ってここにあるのかも。

  

ポジティブは正義

ポジティブってすごく大事ですね。メンバーにひとりありえんポジティブな人がいて、1日目の段階で6位と言われていても、帰りの電車の中で「いやそれはもう優勝」とかばかり言っていて半分呆れていたのですが、それだけ何度も優勝優勝言われているとこちらもその気になるというか、気がつくとみんな優勝ありきで物事を考えられるようになっていました。メンターに「1位取りたい?」と聞かれた時に、どんなに追い込まれた状況でも全員が「取りたいです!」と即答できたのは、本当にすごいことです。

前半で「最下位じゃない!」と喜んでいたのも、環境構築から数日なのに「1位になりたい」とか言い出すのも、結局はポジティブの賜物かもしれません。

 

ヒアリングの大切さ

チームに関係ない話題についてもちょっと触れておきます。自分で満足するシステムを作って、こんないいシステム作ったから使って!と言ったはいいものの、誰も使ってくれなかった、、ということはエンジニアならあるあるかと思うのですが、実際に使うであろう人にヒアリングして、どんなものを作ればいいのかを客観的に分析し、かつ自分たちも使いやすいと思えるシステムを作ることの大切さを学びました。プロダクトは使ってもらってなんぼですからね。

 

「業務システムを改善する」ということ

今回のテーマは社内の業務システムだったので、あくまでも業務のサポートとしての位置を求められているわけですが、業務システムを高機能にしすぎてしまうと本来メインであるはずの通常業務を圧迫してしまうということにジレンマを感じていました。結局この点については時間の制約上妥協してしまったのですが、いつかどこかで答えが出せるといいなと思っています。

 

 

というわけで課題も成果も色々なことが得られたインターンでした。社員のみなさまありがとうございました。これからも頑張っていきます。

1位をとったのでそこそこの額をいただいたのですが、せっかくなのでこれからのキャリアに繋がるものを買いたいなと思っています。なんだろうね。アイデア募集。

*1:2日目解散時のメンターさん曰く「徹夜を強制はしないよ笑」。エナジードリンクが差し入れられる時点でお察しですが、まあ開発してこそのインターンなので。

*2:ポモドーロタイマー的に30分ごとに進捗報告・相談タイムを設けたのもよかったと思います

*3:1.課題へのアプローチが良いか 2.作りきれたか 3.プレゼン力 4.技術的難易度 5.想像を超えた機能があったか の5つ

*4:朝の集合時間を1日目の夜に決めておいたので助かった

院試に苦しんだ話 (その2)

この記事は U-TOKYO AP Advent Calendar 2018 - Qiita 17日目の記事です。

 

こんにちは。ゔぇるでぃ(@verdy_266)と申します。ひょんなことから応物系のAdvent Calendarに参加することになりましたが、自分が応物系の人間なのかと言われるとちょっとグレーだと思います。簡単に言うと創造情報のM1で、所属は計数のシステム6研です。

学部は航空宇宙で、そちらのAdvent Calendarにも参加しています。この記事は、その記事の続きとして、自分が情報理工に来ることになった経緯について書いています。さしずめ院試版不合格体験記みたいなものでしょうか。前の記事を読んでいない人への配慮が足りない部分があると思うので、もしよろしければそちらも参照してください。アカデミックな内容が並ぶ中で100%ポエムです。

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さて、航空の夏院試に落ちたところまでお話ししました。合格発表の日は、落ちた友人とやよい軒で今後について話し合ったのを覚えています。

帰りに池袋のLOFTに寄って、できるだけ高級な、真っ赤なA5ノートを購入しました。進路について考えるためのノートです。すでに割と切り替えていて、俺を落とした学科をぎゃふんと言わせてやるくらいの意気だったと思います。思い出は美化されてるかも。

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とりあえず、情報収集から始めました。部活の先輩で航空から創造に進んだ方に使った参考書について教えていただくのと並行して、知っている大人に片っ端から連絡して進路について相談に乗ってもらいました。また、院試に落ちたとツイートしていたので、友人何人かからラインをいただきました。この頃の精神はさすがにボロボロだったので、本当にありがたかったです…

当初の選択肢はかなり広くとっていて、印籠して航空を受け直す、冬院試を受ける、海外の大学院を受けて留学する、就職するの4つでした。図書室にある就活の推薦リストを調べたり、留学フェアに行っていろんな大学の人の話を聞いたりもしました。

この中で、米国の某大学院の方にこんなことを言われました。

「大学院は目的ありきでピースをうめるために来るところ。今までは時間の流れにのって進んできただけだろうけど、もうそろそろ脱却すべきなのでは。」

ドキッとしますね。僕含め周りを見ていると、いろんなことに忙しくしているうちに気がついたら大学生になっていて、就活とか院進、あるいは院進後のタイミングで「自分は何がしたいんだろう」って悩む人が多い気がします。大して目的意識もなく受験戦争に飲み込まれていく学生の末路ということか。つらい。

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さて、いろいろな人に話を聞いて、当然人によって言うことは違うわけですが、全てを受け入れると言うよりは「いちばん納得したものを採用する」という方針が取れたのは、現に就活をしていてもとても生きている部分があります。最終的には、研究員の方の「みんなと同じことをしていてもつまらない。やりたい気持ちがあるなら挑戦しよう」という言葉に動かされて、専門を変えて情報系の冬院試を受けることにしました。4ヶ月強の戦いが始まりました。

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さて、受験すると決めたら、研究室を探します。冬の募集をしている情報系の専攻を洗い出し、その中で研究内容に興味がある研究室のHPを訪ね、面白そうであれば見学させてくださいとメールを送る。この繰り返しです。全部で10弱の研究室に訪問させていただきました。

最終的に受験を決めたのは、情理創造情報 / 学府総合分析 / 新領域人間環境 / 筑波CS の4つです。冬院試で4専攻も受ける人なかなかいないと思いますが、不安で不安で仕方なかったんです……*1

研究室見学の中で「居室を見せてください」という話をすると、タイミングがよければ学生と話をすることができ、さらに運がいいと冬で受かった人を紹介していただけて、かなりたくさんの情報を得ることができました。このときお会いした方で未だに仲良くさせていただいている方もいて、本当にありがたい限りです。当時参照していたブログの中の人にお会いすることもできました。

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勉強についてちょっと話しておくと、いちばん辛かったのはTOEFLです。9月頭に夏の結果が出て、10月末までにTOEFL iBTを受ける必要がありました。9月末と10月末の2回受験しましたが、たった2ヶ月弱の勉強で英語が伸びるはずもなく、1回目が65点、2回目が67点でした。2回目で2点しか上がらなかったのはさすがにこたえました。

そんな感じで11月から専門の勉強に本格的に取り組むわけですが、ここらへんの話をだらだらしても長くなるだけなので省きます。応物系のAdvent Calendarですし。勉強法について書く気になったら、また別記事を立てます*2

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そんなこんなで勉強の傍ら卒論を提出し*3、新年を迎え*4、卒業設計は相方に任せがちになり*5、怒涛の試験ラッシュに突入しました。2月の頭は1,2,6,7,8,9,10に試験がありました。この冬は雪が多い年で、2/2の面接の日に雪が降っていたのを覚えています。

最終的に勉強時間は1200時間ほど(!)になり、やるべきことはやったという気持ちで本番に臨むことができました。あとから振り返るとそこまでやらなくても受かったかもしれませんが。まあ結果論でしかないですね。

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というわけで、受験した4専攻から合格をいただくことができました。特に創造情報については掲示板での発表がなく、合格通知が郵送で送られてきます。どうやら結果が出たらしいということをTwitterで知り、卒業設計の作業がひと段落したあたりで親に連絡すると、送られてきた写真には「入学手続書類在中」と書かれた封筒が写っていました。開封時にドキドキするものだと思ってたので、ちょっと拍子抜けしましたが。笑

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さて、過去の自分語りばかりしていても仕方ないので、最後に後輩に向けていくつか書こうと思います。

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大学院に行く意味を考えよう

大学院はなんとなーくいっていい場所ではありません。近年修士や博士に進むことを奨励する、あるいは理系であれば院進するのは当然という雰囲気があることは否めませんが、自分なりに納得して院に進んだほうがよいと思います。しかし、4年から研究室に配属される人にとっては、これは正直無理かもしれませんね。先輩や大人に日ごろから話を聞いて、大学院で何をすべきなのかについて考える時間をとってみましょう。

冬院試は意外と可能性がある

感覚的な話になってしまいますが、僕以外にも冬院試を受けた人は意外と受かっているようです。狭き門としてのイメージがかなり強いですが、結局受けるのは夏で敗れた人たちなわけなので。もし受ける方がいたら自信を失わないでください。僕に相談することで少しでも不安が解消されるのであれば、喜んで相談に乗ります。

人生はいつでもやり直せる

結局僕自身は、いつか勉強したいと思っていた情報系の基礎を数か月で叩き込み、現在IT系の就活をしているので、あのとき航空に受かってしまっていたら今頃どうなっていたのだろうとか考えることもあります。僕については航空に落ちたことで他の進路について目を向けるきっかけができたわけですが、別に現在レールの上を順調に進んでいる人も、ちょっとくらい踏み外してもどうってことないのかもしれません。この記事でレールを踏み外すための勇気を与えられるとは思っていませんが、何かしら響くものがあればうれしいです。

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そんなわけで、まあ研究つらいーとかはなくはないものの、まあまあ楽しくやっています。人生いろんな局面で運命に流されたり選択を迫られたりしますが、「どの面からみても正解」とかいう選択はまずあり得ないので、「過去の選択が正解だったといえるように今を生きる」のがいいんでしょうね。たぶん。

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去年の12/24はそんなわけで勉強していればよかったのですが、今年の12/24は何やらクリスマスとかいう行事があるようですね。社会的な圧力でさみしさを感じざるをえないかもしれませんが、みんな仲良くしてください。よいお年を~!

*1:勉強方法や使った参考書については、直接DMでもいただければお答えします(もし連絡をくださる場合には、所属とか名前とか明記してくださるとありがたいです)。冬院試を受けることになってしまった人、夏でも創造や学府あたりを目指している人には多少有益な情報が提供できるかと思います。

*2:特に新領域の冬院試はかなり特殊だったので、いち早く知りたい方はDMで。

*3:卒論提出は駒祭翌日

*4:厄年だったので、初詣でしっかりお祓いしてもらいました

*5:本当に頭が上がらない

院試に苦しんだ話 (その1)

この記事は、東京大学航空宇宙工学科/専攻 Advent Calendar 2018
8日目の記事です。

 

学部で航空宇宙に所属し、修士で情報理工にいる ゔぇるでぃ (@verdy_266) と申します。学部は航空宇宙だったという話をすると結構な割合で優秀判定されるのですが、正直学科では落ちこぼれてしまいました。落ちこぼれができることは、後輩たちが同じ道を歩まないようにすることだけだと思ってこの記事を書きます。

この続きを U-TOKYO AP Advent Calendar 2018 17日目で書くのですが、今回は学部での落ちこぼれぶり~夏院試あたりのことをだらだらと書いていきたいと思います。いわゆる「院試版不合格体験記」*1です。反面教師にするなり、読み物として笑い飛ばすなりしていただければ幸いです。

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落ちこぼれるために航空に入ったわけではないのです。学部に入る前は自分のことは割と真面目な人だと思っていましたし、もしかしたら今もそう思ってくれてる人はいるかもしれません。なんの自慢にもならないのですが。

高校時代は運動会や文化祭に明け暮れて勉強が間に合わず、現役時は数点差で理一に合格できませんでした。当時は化学や生物が面白いなあと思っていた部分もあり私大は化学系の学科を併願していましたが、天文気象部に入るなど、昔から星空を眺めるのは好きでした。

現役時の受験間際に物理の演習で人工衛星スイングバイを扱い、物理面白いなあ、宇宙にまた興味持ってもいいんじゃないかという気持ちになり、浪人を決意したときには「東大に合格出来たら宇宙を目指そう」と思っていました。宇宙の世界はつぶしがきかないイメージがあり、東大に合格すらできないようでは生きていけないと何となく感じていたからです。

浪人時は友達にも恵まれ、プレッシャーはありましたがおおむね楽しくやっていました。誰に遠慮することもほかの用事に追われることもなく、自分のやりたいように勉強して、好奇心を満たしたいだけ満たすことのできる浪人という環境は、とても自分に合っていたように感じます。無事理一に合格することができ、そんなわけで航空宇宙を意識した状態で大学に入学することになりました。

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点数を理由に航空宇宙をあきらめたくなかったので、教養ではそこそこまじめに勉強していました。2Sの第三外国語で点数の底上げを行ったところ平均を80強まで上げることができましたし、1Aでたまたまとった機械系の授業がとても面白く、機械系に興味を持つきっかけになりました。

進振りガイダンスは工学部のあらゆる学科のものに参加しましたが、幅広い分野について学び(卒業設計)、一点について深く掘り下げる(卒業論文)、いわゆる「T字型の人材」を育成しているという点に共感し、航空に希望を出すことに決めました。第二段階でなんとか滑り込み、航空に進学することになります。

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落ちこぼれの兆候が現れ始めたのはこのころです。2年の後期は割とまじめに勉強していた気がしますが、3年夏にCanSatプロジェクト*2に参加したあたりから授業に出れなくなります。1限の遅刻や、授業中に寝ることも多くなりました。膨大な量の課題に忙殺され、特に理解をしないままシケプリのお世話になり、なんだかんだ良あたりの単位を取っていくサイクルを回すようになります。一旦ダレることを覚えてしまうと、なにかスイッチが切れてしまったように勉強しなくなりました。

ひとつ具体的な失敗ポイントを上げるとするなら、2年後期の「材料力学」をこのタイミングで理解できなかったことです*3。材料力学に関係する講義はこの先もいくつかあるので、このタイミングで理解できていないと芋づる式に理解が進まないことになります。また、特に構造力学系の授業で板書マシーンになりがちで、板書をとっただけで満足し、特に講義後に復習をしませんでした。個人的には板書マシーンになるくらいならメモとらずに講義聞いてた方がいいと思います*4。人によるだろうけど。

もう一つの失敗ポイントは、就活がまったく頭になかったことです。学部卒で就職するとなるとB3後半には就活してないといけないことになりますが、「周りが院に行くし」「研究室に入る前に就活するのは研究者としての道を捨てることになる*5」とか言い訳して全く就活について考えることがありませんでした。このせいで、将来なんとなーく航空の院に行ってなんとなーく航空宇宙系のとこに就職するのかなー的な思考のまま、ずるずると院試に向かうことになります。

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幸か不幸か研究室は希望のところに配属がきまり、もはやこの先生についていきたいほどだったので、院では今いる研究室に残ることしか考えていませんでした。B4の4月あたりからぼちぼち数学の過去問を解き始め、7月あたりから本格的に勉強した気がします。多分普通に授業受けていればこのペースで間に合うんだと思いますが、基礎が全く分かっていなかったので、材料力学の教科書をイチから読み直すとか、図書館でいろんな本をあさって読みまくるとかしていたので、10年分の過去問を解くのが精いっぱいだったと思います。

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本番数日前に出した熱を無理やり治し*6、迎えた院試当日。7号館の講義室があいていたので、直前確認を友人としたのち83号室に向かいました。

1日目は英語と数学です。英語はまあわからないながらもそう大失敗することはないだろうと思っていたので、とりあえず通過。問題は午後の数学でした。

6問中3問選択なのですが、得点源としていた大問で手が付けられず、第2候補の大問で超苦戦、第3候補の大問で盛大な読み間違えをして半分くらいしか解けないという大惨事。確か第4候補で完答間際まで行っていた気がしますが、1日目は絶望して帰宅した覚えがあります。

2日目の専門科目をなんとか頑張って解ききり、3日目で5分くらいの面接をやっつけ、つらい院試を終えました。院試後に学科同期と飲んだものの、出てくる話の端々で自分のミスが露呈し、ひとり暗くなっていました。

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とはいえ750/1200が合格ラインといわれていたので、だいたいの自己採点をするとそこまでひどくはないと思っていました。研究室旅行やら同期旅行やらを挟んで合格発表。落ちました。掲示板見たときは何かのバグかと思いました。3回くらい掲示板を確認して、それでもまだ状況を受け入れられなかったのですが、何人か周りに落ちた人がいたことで、「どういうこと?」から「どうしよう」に変わっていきました。

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開示結果を晒しておきます。

英語 188 / 数学 134 / 専門 432

合計754ってことになるんでしょうか。この点数がそのまま加算されてるのかは定かではありませんが、合格ラインがだいたい750くらいだとすると、ギリギリで落ちたんだと思っています。まあ数学で半分取れないやつはいらないですね*7。あと英語も思っていた以上に悪い。うーん。

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さて、そんなこんなで航空の夏院試に落ちたので、進路について考えるところからやり直すことになりました。ここらへんの話から、次回にしたいと思います。

こんなポエムみたいな自分語りをするのもぼくだけでしょう。皮肉なことに明日の方は今年の院試主席だそうですね…きっとアカデミックな内容を書いてくれるんだと思います(煽りすいません)

*1:駒場祭で販売していた「東大多浪」の影響を多分に受けている

*2:缶サイズの模擬人工衛星を作って打ち上げ、着地点から目標地点まで自律走行させる大会。国際大会はARLISSといって、宇宙兄弟をご存知の方は作中に出てくるアレです。僕は読んだことないですが。

*3:この講義で、講義を聞くより教科書を読んでいた方が良い場合もあることを知りました。

*4:ノートはシケプリとしてアップされてるわけだし。あと講義の内容そのままの古い教科書があったはず。

*5:弊学科では研究室配属はB4から

*6:僕は現役のセンター1日目で熱を出しています。思いっきりフラグだ。

*7:結局例年は難しい複素関数を完全に捨ててたのが敗因です。