断捨離は苦手です。

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【アカペラ】見やすい楽譜を書こう

たまにはアカペラの話題を。

学祭シーズンでほかの人の楽譜を見る機会が多く、もうちょっと見やすさとかに気を遣って楽譜書いてほしいなーってことが多々あるので、持論をまとめておこうと思います。まあ持論といっても「こうやって書けよボケ」って言ってるわけじゃなくてですね、いやそれは間違ってるとかあったら指摘してもらえるとありがたいです。観点の共有といいますか、そういうこと考えてるんだーみたいになれば幸いです。

ちなみにちょこちょこmusescoreのショートカットキーの話が出てきますが、windows仕様です。macはごめんなさい、調べてください。

 

 

なぜ「見やすい楽譜」が重要か

簡単に言えば作譜や練習の効率が上がるからです。ちょっと気を付けて楽譜を書いてるだけで練習中の無用な確認が不要になり、その分音楽的な面を詰めることができます。見やすい楽譜は音取りもしやすいです。

 

気を付けてること

男性と女性の適正音域を把握しておく

女性コーラス、男性コーラス、ベースそれぞれの標準の音域は、だいたい次のようであるといわれます。

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1音目が下限、2音目が上限です。音部の記号が全員違うので注意。

こういう感覚を持っているだけで、突拍子もない楽譜(いやいやいや高すぎやねんみたいな楽譜)を書きにくくなります。

 

ト音記号ヘ音記号

上の図を見てもらうとわかるかもしれませんが、標準音域はだいたい五線譜の範囲内です。この観点から、ト音記号ヘ音記号は次のように使い分けるといいと思います。

女性リードの曲を原キーで男性が歌うとかなら別かもしれませんが。その辺は柔軟に。

 

音色は減衰しないものにしよう

音色として使われがちなのがピアノと合唱系(ソプラノ、アルトとか)ですが、これらはアカペラの楽譜としてはふさわしくないと思っています。

ピアノがふさわしくないのは、音が減衰してしまうから。コーラスは基本的に一定の音量で音を出すように求められるので、ピアノの音の出し方とは相容れないわけです。また合唱系がふさわしくないのは、音源にして聞いた時に極端にもこもこするからです。

musescoreで個人的に常用しているのは、

です。もしよければ1回試してみてください。

 

タイを使って拍が分かるように

例えばこういう楽譜。

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ぱっと見でリズムがわかりにくいので、こう変更しましょう。

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基本的に4拍子であれば2拍の区切りは絶対です。なので2裏から3表にかけてのタイは確実に入れましょう。

後ろのタイについてはそこまで絶対というわけではないと思います。音符の数を減らすべきなのか、タイにしてリズムをわかりやすくする(裏拍であることを強調する)のかについては、臨機応変に対応しましょう。

 

コードを書いておこう

多くの人がコード譜をネットで検索して楽譜を書くと思います。せっかく調べたらそれを楽譜に残しておきましょう。こんな感じ。

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要は

リードラインの耳コピ → コードの記入 → ベースとか

という順番で書くといいよという話です。

これをしておくだけで、

  • 書くとき:音をはめやすい、字ハモが作りやすい
  • 書くとき~練習中:楽譜の間違いが発見しやすい
  • 練習中:和音の確認(メジャーの場所でマイナーが鳴っているなど)が楽

などのうれしいことがあります。

ちなみにmusescoreのショートカットキーは Ctrl + K です。

 

リハーサルマークを使おう / 改行に気を遣おう

リハーサルマークというのは、上の図の「1サビ」って書いてあるやつです。これを書いておくと、練習のときに「じゃあ1サビからやってみよう」となったときにいちいち探さなくて済みます。

それから、リハーサルマークは必ず行の左端に行くように改行をしてあげましょう。musescoreだとパレットから「譜表の折り返し」という記号を付けることができて、その位置で強制的に改行することができます。リハーサルマークを探す時間も短縮しましょう。

ちなみに、リハーサルマークに使った文字列はmusescore上で Ctrl + F を使って検索することができます。これ楽譜書いてるときにもめちゃめちゃ有効で、例えば1番Aメロの頭に「1A」、2番Aメロの頭に「2A」とリハーサルマークを振っておくと、2Aで1Aのコーラスをコピペしたいとかいうときに楽譜内の移動が爆速になります。

 

臨時記号はどっちを使う?

これはあんまり厳密に決まっているわけではないですが、大まかには次のような感じがいいと思っています。

  • 横のラインで見て、前の音から上昇するならシャープ、下降するならフラット
  • 小節内の臨時記号の数を最小にする

2つ目の臨時記号の数というのは、要は上が2つ、下が1つということです。

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この場合、上の♮が臨時記号として使っているもの(調号に対して白鍵を使う場合に用いる♮)なのか、前にある臨時記号に従って仕方なくつけているものなのかによって見え方が変わってくるので、楽譜を見る人に余計な考察の余地を与えない方がよいという意味です。ただこの場合、先ほどのひとつ目の観点から2音目が1音目の半音上昇ということがちょっとわかりづらいので、悩みどころではあります。(このくらい単純であればどっちでもいいという説もある)

 

シャッフルはどのビートなのかも書こう

シャッフルの曲で、ただ「シャッフル」とだけ入れてもいいのですが、できれば 8 beat swing とか 16 beat swing とか明記できるといいなあと思いますね。横文字使うとなんかかっこいいし笑

 

スキャットは全員分書こう

これも単純な話ですが、topのスキャット(シラブル)だけ書くんじゃなくて、2nd以下にもスキャットを書いてあげましょう。musescoreでもスキャットのコピーはできます。詳細は*1。これ僕の激推しショートカットキーなのでぜひ使ってください。

 

番外編1:楽譜変更したら色付けしよう

練習してると楽譜の変更はそこそこの頻度で起こってくると思いますが、もしソフト上で変更したものを再アップする場合は色を付けてあげましょう。musescoreだと F8 で色を変更するためのパレットが出現します。

 

番外編2:楽譜のテンプレを作っておこう

自分がよく使う設定って決まってくると思いますが、新しい楽譜を作るたびにその設定をするの結構だるいので、白紙の楽譜をテンプレとして保存しておくといいと思います。

 

おわりに

字ハモの作り方とかコード進行とかの話は全く出てませんでしたけど、同じ楽譜でも見やすさという観点だけでいろんなことがいえると思います。

意見、反論、あるいはこんな観点もあるよとかありましたら教えてください!